【東洋医学】シンガポールでみるアーユルヴェーダと漢方 後編
こんにちは、ASIAN RAD TEA COMPANY YUKAです。
少し時間があいてしまいましたが前回の続きを書いていこうと思います。
私は日本ではなくシンガポールに住みながら ASIAN RAD AFTERSというアジアンスイーツのブランドをしています。
なぜシンガポールに住んでいるかというと、
まずフランチャイズ店舗の出店オファーがあったからです。
今まで香港、台湾、ノルウェー、イギリス、アメリカなどからフランチャイズのオファーが来ました。ですが具体的に話が進んだのがシンガポールでした。
こんなにたくさんの国の方に興味を持っていただけたのは、インスタグラムでASIAN RAD AFTERSのインパクトのあるバブルワッフルの写真が各国のインフルエンサーから拡散されたことだと思います。
実際海外からのお客様も多いですし、アメリカ人のトップフーディーたちがお店にいらしてくれたこともあります。
そして私はシンガポールの店舗のオープンに合わせてお店のサポートのため日本からシンガポールへ移住した、という経緯です。
実際にシンガポールに住んでみると、
アジアのハブと言われる意味がとてもよく理解できました。
インドやマレーシア、中国など様々な宗教や文化、フードカルチャーが交差したこの場所は、私の仕事にとってもとても興味深く、学びが多い場所でした。
前回はシンガポールで体験した東洋医学、アーユルヴェーダのお話をしましたが、
今回は私がシンガポールに来てとても身近になった漢方のお話をしたいと思います。
私と漢方の出会いは、高校生のときでしょうか?
漢方の緑のラベルの便秘薬を友人含め持っていて飲んでいた気がします。
そして、10年来の友人が漢方薬剤師になったことが大人になってから漢方を飲むきっかけでした。彼女は芸能人御用達の大手美容系クリニックで漢方薬剤師としてたくさんの患者さんを抱えていました。
私は4歳になる息子がいるのですが、産後初めて産後うつのような状態に陥りました。
出産のご経験がある方や、そのご家族ならもしかしたらご理解いただけるかもしれないのですが、例えばすごく落ち込んだり、急に泣きたくなったり、怒りっぽくなったりしたのです。
今思うと、産後のホルモンバランスの乱れが大きな原因だったと想像できるのですが
その他にもなぜか産後に海外出張が多かった主人(思い出すと本当にムカついてくるw)や、
初めての出産だし手伝いに行くよ、と言ってれた遠くに住む両親に素直に手伝いをお願いしなかったこともあり
初めてのほぼ一人での子育てに対して色々なストレスやプレッシャーを抱えていました。
今となっては、なんで小さなことをあんなにネガティブに捉えて苦しんでたんだろう?と不思議に思うのですが、私は母乳が本当に少ししか出ませんでした。
病院では生まれてすぐの赤ちゃんに母乳を飲ませたら免疫がつくんだよと言われて出もしないのに頑張ってみてと言われていました。
なんで出ないんだろう?と悩んでいろんなところに相談に行ったり搾乳機をいろんなタイプ試してみたり、試行錯誤してみましたが理由もわからないし、たくさんご飯食べないと母乳なんて出ないんだから、と言われるがまま一生懸命ご飯を食べまくって無駄に太った時期すらありました。
病院に行ったって、検診に行ったって、みんなから聞かれる”母乳ですか?ミルクですか?”
”どうして母乳出ないの?”の何気ないセリフにいちいち傷ついていました。
そして産後うつや母乳が出ないことも漢方薬剤師の友人に相談してみました。
コンサルテーションシートを記入して問診をしていると、
あ〜鉄分が足りてないしもともと貧血でしょ?だから母乳出ないんだよ、お母さん自体血が足りてないからね。
と私が母乳が出ない原因を教えてくれました。
どうしてお医者さん教えてくれなかったんだろう、って思うぐらい親身に話を聞いてアドバイスしてくれました。
そして私の症状に合わせたオーガニックのオーダーメイド漢方を作ってくれたのでした。
漢方は、薬と違って今飲んで今治る、ということはなくて、少なくても1〜3ヶ月は続けてみてね、少しずつ症状が改善して行くと思うよ、
処方を変えることもできるから改善しているところや変わらないところはまた教えてね、と言われました。
そして3ヶ月後、ほとんどの産後うつの症状は緩やかに治まっていきました。
彼女の患者さんが絶えないのも、彼女の処方する漢方を飲み続ける芸能人が多い理由もとても理解できました。
症状や体質、困っていることをしっかり聞いてくれた上でオーダーメイドで処方してくれるから効果があったんじゃないかなあと思います。
加えて、彼女と話していると自分の体質を理解することができて漢方以外にも普段の生活からも改善していこうという気になりました。
アーユルヴェーダもそうですよね。
自分のドーシャ(エネルギーのバランス)から体質を知って食事を採ってバランスを調整します。
そんな日本での漢方体験を踏まえ、シンガポール移住。
スーパーにも屋台にも、いろんなところに漢方が根付いていることにまず驚きました。
中華系が多いシンガポールですから、もちろん中国の医学の病院もありますし、
漢方を取り扱うお店も多いのです。
ハーバルスープ(薬膳スープ)を販売する屋台、
レストランではバーリーウォーターがメニューにあったり、
ハーバルティーの専門店はいたるところにあり
スーパーには薬膳スープの生薬が売られている。
日本だと専門店に探しに行かなければ普通には売っていないような生薬が簡単に手に入ります。
中華系の家庭ではハーバルティーを家庭で煮出して作っているそうなのですが、
この環境だと作らなくてもすぐに買って飲むことができます。
シンガポールでは本当に漢方は身近だなと感じます。
このぐらい生活のそばにいてくれたら探さなくても当たり前に取り入れることができるのです。
日本と違って常温のお水を持ち歩くシンガポーリアン。
こんなに暑いシンガポールに住んでいても火鍋やハーバルスープを食べたり、温かい白湯を飲む中華系の人々。
はじめは信じられないと思うくらいシンガポールの暑さに参っていたのですが、
冷え性の私はこの土壌に慣れてしまうと手足が冷えないし、このフードカルチャーを取り入れると身体の調子がよくなりました。
これからもこの国でいろんな漢方を体験してさらに健康になりたいですし、
もっと知識をつけてASIAN RAD AFTERSのメニューにも私たちのブランドらしい形で取り入れてお客様にも美と健康をお届けしていきたいと思います。