私とムスリム ラマダンを終えて
みなさんこんにちは。
自称シンガポールの日本人1、
シンガポールのアラブエリアに友達が多いASIAN RAD TEA COMPANY YUKAです。
いつも一緒にいると友達がムスリムなのではなんで?とよく聞かれます。
私は日本人の友達がほとんどシンガポールにいません。
今回のブログはちょっと長くなるかも。
私のブランド、ASIAN RAD AFTERSがお店を開けていたのがシンガポールの観光地、アラブストリートやハジレーンの目と鼻の先の場所でした。
店舗工事が終わって店構えが完成していたものの、飲食店に関する許可がなかなかおりず店で作業していた去年のちょうど今頃、
店舗の色が明るいラッドグリーン一色だったこともあり、前を通る方達がこぞって
”ここは何のお店?”、”いつオープンするの”
などとオープン前だったのにも関わらず店内に入って来てくれました。
そんな毎日を過ごしていると恰幅の良いおじちゃんと少し背の低いおしゃれなお兄さんが店舗に入って来ました。何人かはよくわかりませんでしたがなんだか二人は兄弟のようにしっくり来ていました。
いつオープンするのか?どこから来たの?など一通りの話をした後、彼らは”あそこで働いてるんだよね”と言って近くにある高層ビルを指さしました。
あ〜そうなんだね、IT系かなんかかな?と思い、近いからまたオープンしたら来るね!と言ってくれてその時は名前も知らず、そこで別れました。
そして無事店舗がオープンしてすぐのこと。
その二人がお店に入って来てくれました。覚えてる?と話しかけるともちろん!と言ってくれて、集客どう?などすぐにお店の心配をしてくれました。
オープン当初シンガポールの有名FOODIEやブロガーが来店してくれたこともあり賑わってはいましたが、
宣伝広告は一切打っていない状態だったので話を聞いてみると、有名な広告関係の会社にすごく仲がいい友人がいるから紹介するよ!と言ってくれました。
そして現れたのが今では家族のように仲良くしているエジプト系でマレーシア出身のショーブン。
黒髪で濃い顔でなかなか整っているので、私のお店で働いていたムスリムのスタッフは、彼、俳優なの?と聞いて来るほどでした。
私はたまにアラビックの血が入ってるの?とかどこかのハーフ?と気かれることがあるのですが、初めて会った時彼は私のことをいきなり、俺の妹に激似だ!と言って勝手に盛り上がっていました。その手の会話はリップサービスなのかな?と思っていた冷めた日本人の私ですが、仲良くなってから後から聞いてみると本当に似ているらしいです。
それからショーブンは彼を紹介してくれた二人のことを話してくれました。
あ〜IT系のあのノリがいい人たちね!と言ったら、
ん?IT?彼らはガバメントで働いてるんだよ、知らなかったの?と言われました。
全く勝手な勘違いをしていたのですが二人は実は大使館の偉い人たちでした。
それから外交官などUAE大使館の方がたくさんお店に来てくれたり、
週に一回か二回はお店に顔を見せてくれて、たくさんお客さんを連れて来てくれました。
ある時は私の家族の相談を親身になって聞いて色々動いてくれました。
私の友人が日本から遊びに来た際はアラブストリートの行きつけのお店に私たちを招待してくれたり。
一度、彼らが優しすぎて不思議だと思った私はこう聞いたことがあります。
”どうしてあなたたちみたいな偉い人たちが、見ず知らずのこんな私に、
私のスタッフや家族にまでそんなに優しいの?”
そしたら笑いながら”We are friend"と、なんでそんなことを聞くんだ?と言いました。
それが不思議で不思議でしょうがなかったことを覚えています。
仲が良くなってからも私は無知だったし、彼らの宗教についてもしかしたら失礼な質問をしてしまったことがあるかもしれません。
でもムスリムになれとか強要はしたことなんて一度もなかったし、
いつも優しくムスリムはこんな感じなんだよと伝えてくれました。
日本でも優しい人はもちろんいるし、そうなんだけど、それとはどこかが違う、
分け隔てない、家族のような暖かさと安心感があったのです。
だからこの差は何なんだろう、とずっと不思議でした。
彼らの集まるミーティングやハラールレストランでの食事会に参加したり連絡を取り合ったり、交流はずっと続いています。
そして一ヶ月前から始まったラマダン(イスラム教の断食月)。
ムスリムの仲がいい友人やスタッフももちろん参加します。
”ラマダンやったらムスリムのことなんかわかるかな”
”友達なんだったら彼らのこと知りたいな”
と思い今回一ヶ月に及ぶラマダンを体験しました。
もちろん彼らといる時は飲みませんが私はお酒が大好きなのでムスリムにはなれないと思います。
だけどもう少し彼らのことを知りたかった。
一ヶ月のラマダン期間が終わり、今思うこと。
こういう考え方や教えがベースにあって、
だから不思議なくらい私にも優しかったんだ、
ということ。
イスラム教では同じ宗教、違う宗教であっても思いやりを持ち与えてあげることが良いことだとされており、
ラマダン中やハリラヤ(ラマダン明けのお祭り)では特に夜にお菓子や食事を無償で振舞ったり、人の陰口や噂話をしないことを徹底し、貧困層に寄付をしたりします。
なんだか彼らの優しさの訳が分かったというか、ラマダンと向き合うことで
感動するくらい自分の中でしっくりきました。
日本では宗教のことはタブーだったりあまり話さないし実際私もそうだったけれど
シンガポールに住み、このダイバーシティーの中で様々な背景を持った自分と違う人たちと
共存していく、ということを今回のラマダンを通して学びました。
違いを認め合って共存していきたい。
ヴィーガンや宗教、国籍、肌の色、言語、ジェンダーなど
様々なことに当てはまると思います。
そんなことを思いました。
今年のラマダン、わたしの人生で1度のラマダンがあと数時間で終わります。
来年はもうしないけどねw
どんなことをしていたのか気になる方は
こちらからどうぞ↓
ラマダンはじめます!
https://m.youtube.com/watch?v=6u5_hChBXgc
ラマダン前編
https://m.youtube.com/watch?v=iOP8Q2IqZUs
ラマダン後編
https://m.youtube.com/watch?v=Q_uqEBRgEHg
#ムスリム #イスラム教 #ラマダン #シンガポール